ヤクザの銀ニ
「くそー! 失敗だよ…これ…」
ヤクザの銀ニは、鏡を見ながら言った。
「まったく…あの床屋、うまい時はうまいんけど、たまに失敗するんだよな…」
銀二は、そういって髪の毛を何度も整えていた。
どうやら床屋失敗らしい。
ありがちだ。
こればかりは、どうしようもない。
銀二は、髪の毛と2時間ほど格闘した。
しかし、どうしても自分の思い通りにならない。
「くそー、しょーがねーな……仕方ない! 坊主にしよ!! 坊主!!」
なにもそこまでしなくても…。
銀二は、バリカンの電源を入れた。
「ウイーン! ジョリジョリジョリジョリ!!」
5分ほどで完了しただろうか。
なんだか小学生のような感じになってしまった。
「まいったな…もっとカッコ良くなるかと思ったら…子供みたいだぞ…俺は童顔だからな…でも、まあいいか…」
諦めたようだ。
すると、ある事を思い出した。
「そうだ、今日は5時から会議があるんだ。事務所に行かないと…」
時計を見ると3時。
銀二は、家を出た。
「事務所に行く前に、気分転換にパチンコでもするか…」
銀二は、パチンコ店に入った。
「お金あまり無いからハネデジだな…」
さっそく台にすわってお金を入れる。
すると、銀二のほうに店員が近づいてきた。
そして、
「ちょっと、僕いくつかなー? お母さんと一緒に来たのかなー?」
と訊いてきた。
銀二は、
「はっ? 何だよ、俺は大人だよ!」
と言って店員をにらんだ。
すると店員は、
「うそついちゃだめだよー! はい、アメ」
と言って銀二にアメを渡した。
すると、銀二は、
「わーい! アメちゃんだ! ペロペロ! っていらねーよ!!」
と怒鳴った!
すると、店員は、
「今日は、幼稚園はお休みかな?」
と訊いてきた。
すると銀二は、
「うん。今日はお休みなの…って俺は大人だ!!」
と怒鳴った!
すると、店員は、
「お兄ちゃんいるのかなー?」
と訊いてきた。
銀二は、
「もう、のり突っ込みはしないぞ。アニキは組長と温泉だよ」
と言った。
すると、店員は、
「組って何組かなー? サクラ組かなー?」
と訊いてきた。
銀二は、
「竜神(りゅうじん)組だよ」
と言った。
すると、店員は、
「ニンジン組かー! お野菜いっぱい食べないとね!」
と言った。
銀二は、
「竜神組だって言ってるだろ!」
と言って拳銃を出した!!
すると、店員は、
「そういうのは、お家でやろうね!」
と言って、パッ! と拳銃を取り上げた。
そして、代わりに水鉄砲を渡した。
すると、銀二は、
「わーい! 水鉄砲だ! ピュッピュッピュッ!! ってなめてんのか!!」
と怒鳴った!
そして、服を脱いで、
「てめー! このイレズミが見えないのか!!」
と言って脅した。
すると、店員は、
「うわー、かっこいいシールだね! お兄さんも欲しいな!」
と言って、頭をなでなでした。
すると、銀二は、
「かっこいいでしょう! はがす時ちょっと痛いんだよ! って違う!! これは本物だ!!」
と言った。
すると、店員は、
「怒らない怒らない! はい、風船」
と言って銀二に渡した。
すると、銀二は、
「わーい! 風船だー! 何で宙に浮くのかなー? 不思議だなー? っているかー!」
と怒鳴った。
店員は、
「とりあえず休憩室に行こうか。映画が見れるよ!」
と言った。
銀二は、
「何? ただで映画が見れるのか?」
と言った。
店員は、
「いろいろな映画が揃ってるから、休憩室に行こうね」
と言った。
銀二は、休憩室に行った。
そして、
「ヤクザ映画見せてくれよ!」
と言った。
すると、店員は、
「君、そんなすごい映画を見るんだ!」
と驚いた。
銀二は、
「あたりめーじゃねーか! 俺は、ヤクザ映画しか見ないの!」
と言った。
すると、店員は、
「本当にいいんだね? わかったよ。それじゃ準備するから!」
と言って休憩室を出て行った。
しばらくすると、映画が始まったようだ。
銀二は、
「おっ! 始まったか」
と言って画面を見た。
すると、こんな声が聞こえてきた。
「お尻に入りやす〜い! コンパクトな形! これはいいー!!」
銀二は、
「何だこれ?」
と思った。
そして、10秒もしないうちに気づいた。
「これ!! ヤクザ映画じゃなくて、ザヤク映画だろ!! あいつ何考えてるんだ!!」
銀二は怒鳴った!!
すると、店員がやってきた。
「どう? 面白そう?」
銀二は、
「面白いわけねーだろ!! ザヤクで、どうやって話作るんだ!!」
と怒鳴った!!
店員は、
「それは残念だなー」
と言った。
銀二は、
「もういいよ。それよりタバコあるか? タバコ」
と言った。
すると、店員は、
「まったく仕方ないなー。今回だけ、サービスだよ」
と言って、銀二に渡した。
すると、銀二は、
「ありがとう!! サクッサクッ! う〜ん! おいしい〜! ってこれタバコじゃなくて、ビスコじゃねーか!!」
と怒鳴った!!
そして、
「もういいよ! それより俺のチャカ返せよ! チャカ」
と言った。
すると、店員は、
「わかりました」
と言って、銀二に渡した。
すると、銀二は、
「これだよこれ! 甘〜い! ってこれチャカじゃなくてチョコだろ!!」
と怒鳴った!!
そして、
「てめー、ヤクザなめてんのか!!」
と怒鳴った。
すると、店員は、
「ザクヤ?」
と言った。
「違う! ヤクザ!!」
「クザヤ?」
「ヤクザ!!」
「クヤザ?」
「ヤクザ!!」
「ヤザク?」
「お前わざとだろ!!」
銀二は、怒鳴った!
そして、
「お金くれよ!! オカネ!! それで許してやるよ!!」
と言った。
すると、店員は、
「ちょっとしかないけど」
と言って銀二に渡した。
すると、銀二は、
「これだよこれ! パリッ! パリッ! ってこれオカキだろ!!」
と怒鳴った!
そして、
「もういいい!! 帰る!! 俺のチャカ返せよ!」
と言った。
すると、店員は、
「ちょっと待ってください! 実はですね…あなたに会いたいと言っている人がいるんですよ…」
と言って銀二を見つめた。
銀二は、
「はっ? 俺に会いたい? 誰が?」
と言った。
店員は、
「とにかく僕について来てください。チャカは、そこで返します」
と言った。
銀二は店員についていった。
そして、ある部屋に入った。
すると、そこには、まったく知らない人が立っていた。
銀二は、
「あんた誰だ?」
と訊いた。
すると、その人は、
「僕はですね、あの…あれです…あれなんですよ…わかります…」
と言った。
銀二は、
「おいっ! もじもじ言ってないで、誰なのかはっきり言えよ!!!」
と脅した!
すると、その人は、
「あれです…つまり…なんというか…その…警察です…」
と言って警察手帳を出した。
すると、銀二は、こう言った。
「お勤めごくろうさまです…」
(おしまい)